メッセージ
私は2007年からグルガオンとプネに約10年間駐在し、その後 4年間に渡りほぼ毎月インドに出張して来ました。
インドはアジア文化圏とは大きく異なる独自の文化、習慣のため拠点を作っても生産や販売を拡大してビジネスで成功することは容易ではありません。
またインドに進出している日系企業の駐在員の方々は日本本社の認識とインドの現場でのギャップでフラストレーションに悩むという話をよく聞きます。
一方ではフレンドリーなインド人やインドの文化に心惹かれ嵌る方もいます。
最初にインドに行ってから30年が過ぎ、ゆっくり流れるインドの時間の中で変わったものもあり、
変わっていないものもあります。
近年明らかに変わって来ていると感じることはインドの若い人達の普段の行動や会話の中で心を動かされたり
Respectを感じる人達が一部ではありますが増えてきたことです。そのことは過去のインドを知る者にとっては
驚きでした。
数年のうちに世界一の人口になる国でそのような人達が次第に増えて来ていることはインドの希望です。これからもそんな希望の星達に出会いたいと思っております。
インドビジネス フロンティア
代表 本田成能
TEL 0742-42-6230
e-mail: メールはこちらへ
関西事務所:
奈良県奈良市藤ノ木台 2-27-5-5
中部事務所:
愛知県田原市亀山町上ノ越112
当社の強み
1.ゼロから始めインド法人設立から 事業運営までの自らの立上げ実務経験 3社、13年間の実績を基にインドの現場を知る実践的アドバイス
2.適地選定、会社設立、許認可取得、工場建設、設備据付、雇用、法務、総務、経理、税務、生産、労務、購買、
在庫管理、営業、運営改善等を網羅する実体験に基く具体的な実務のコンサルティング
3.インド事業では容易でない黒字化を実現するための実践的な目標設定とGuidance、Review、Report
4.Marketの分析による実践的な戦略作成と行動、Targetの明確化
5.潜在能力のある人材の採用と育成、目標設定、考課、Guidance
6.理論だけではなく 実際、デリー、グルガオン、マネサール、ニムラナ、ファリダバド、ノイダ、チャンディガー、ラクナウ、ハリドワール、ジャイプール、アーメダバド、バドダラ、スーラット、ラジコット、ムンバイ、プネ、インドール、ボパール、ナグプール、ライプール、ライガール、ランチ、ジャムシェドプール、カラグプール、コルカタ、ブバネシュワール、ゴア、ハイデラバド、バンガロール、マイソール、コインバトール、チェンナイ、マドライ等を自分の足で歩き回ったインドの現場・肌感覚。
7.できる限りお客様のご要望にお応えする柔軟性のある対応
8.バングラデシュ、スリランカ、ネパール、アジア諸国等にも対応いたします。
インド進出の注意点
1.進出企業:
インドは歴史的にヨーロッパとの交易や関係が深くヨーロッパ企業の進出が先行しましたが
近年は人口ボーナスと広大な国土、潜在成長性に期待して日本、アメリカ、中国、韓国、アジア諸国からも進出が
進んでいて現在日系進出企業は2019年時点で約1500社です。
大手企業の進出は一通り済んでおりこれからは中小企業やIT、サービス業の進出が見込まれています。
JETROの資料では純粋に累積で利益を出している日系進出企業はそのうち約10%です。
Indonesiaでは約20%とのことですのでIndonesiaよりはハードルが高いようです。
その理由はアジアとは異なる民族、文化、習慣、法制であり競合も厳しいことによると思われます。
2.進出の形式:
まず進出の形式は独資か合弁か支店によるかになります。合弁のメリットは販路、用地、仕入れ調達先、
法律、会計、人材等を全て相手先が準備してくれます。
デメリットとしては経営の主導権を取られるリスクや技術、ノウハウに関してのConfidentialityのリスクあり。
独資のメリットは上記の逆で販路、用地、仕入れ調達先、法律、会計、人材等ノウハウは全て一から独力で
開拓しなければなりません。
その代わり独自で経営を行うことができ技術やノウハウのConfidentialityのリスクは少なくなります。
まだ商品がインド市場に売れていない企業の場合は支店からの設立でマーケティング等の試行錯誤をお勧めします。
3.インドでの失敗例:
インドに進出して失敗している企業は進出すれば何とかなるというスタンスで始めたところが多いように思われます。
進出前に既に輸出で或る程度インドで売れていなければ進出後にかなりの苦労をします。
インド市場に合う仕様、機能、品質、価格に合うような商品にするのに進出してからだと数年かかるとみておいた方が
良いからです。
インドの国土は広大で欧州全体程の面積があり また、連邦国家なので多くの企業は中国のように沿海部に集中してなく市場は全国各州にバラバラに散らばっているので販路を広げるのに時間とManpowerとCostを要します。代理店を起用しても良い代理店を見つけるのは容易でなく市場価格が安いので利益も圧縮されます。
4.インド顧客:
インド市場は一般的にPrice Consciousと言われ値段に厳しい。いざ買うとなったら欲しい最新機能ができるだけ多くついている商品をできるだけ低い価格で買いたいというのがインド人消費者の本音ですから他の競合する商品と比較して仕様、機能、品質、値段で優っているか確信しないと買いません。そして自分にとって不要な機能の価値は全く認めません。
5.インドのVendor:
下請け業者は特に中小の場合 貧弱な設備のVendorが多く品質に問題やばらつきが発生する事がありますのでコスト、品質を常時注意深くチェックすることが必要です。また、輸入品の場合は税金や輸入コストの為 非常に高い場合もあります。
6.インド人のマインド:
フレンドリーな反面 歴史上 他国に数回征服されているので猜疑心が強い。少額の商品は全額前金の支払い条件が多い。
約束しても来ないことがある。言っていることの大半が言い訳のことがある。
契約しても文言通りに実行しないことがある。
裁判を行うと判決が出るまでに数年以上かかることが通常なので裁判まで行う企業は少ない。
一部の優秀で誠実な人以外は言わないとやらないことがあり、自転車の車輪を回し続ける要領で忍耐強く
Remindし続けることが大切です。
7.インド人の文化:
兎に角おしゃべりが好きで家族、親族、友人とチャイを飲み甘いものを食べながらお喋りすることが楽しみです。
時間の感覚が薄いので納得できないことはしゃべり続けても堪えません。言い負けると勢い付くので通訳を使っても良いので言い負けしないことが必要です。早くしゃべること、物事を複雑化する傾向があります。
ベジタリアンが国民の7〜8割います。若い世代は柔軟性がある人が増えていて場面によっては鶏肉やマトンを食べ
お酒を飲む人もいますが牛肉、豚肉はまず食べません。
カースト制度には階層カーストと職業カーストがあり憲法では否定されていて、また若い世代や都市部ではかなり薄れてきていると聞きますが普段、表に出ない意識が何かの騒ぎになると触発されて偶に暴発することもあるようです。
会社生活やビジネスではカーストのことを通常話題にすることは殆どなく特に外資系では実力主義と分かって入社してくるのであまり気を使うことはありません。
8.娯楽他:
基本的には保守的な社会でアジア諸国のような娯楽は無いと思った方が良いです。仮にインド女性と恋愛した場合は結婚が前提となり親族との付き合いが必然となります。バー等アルコールを飲める店舗はそれなりにありますが限られています。
酒屋は地方都市でもありますので自宅でお酒を飲むのに不自由は特にありません。西洋料理、中華料理、韓国料理、日本食レストランは主要都市にはありますがアジア諸国と比べ少数です。地方に行くとホテルも貧弱になり多くは望めません。
ゴルフ場は少数ですが主要都市にはあります。日系企業の主なところはバンコクやシンガポールに買い出し制度、日本への年次帰国、及び企業によっては日本食送付制度もあります。
9.人種・言語:
多民族、多言語国家で一般的にインドの北の方がアーリア系が多くインド原種のドラビダ系は南の方が多い。
主要言語は13 方言も入れると2000言語以上とも言われます。ビジネスは英語が基本ですがそのレベルは様々です。
ヒンディー語を話せる人は意外に少なく13億人のうち5〜6億人です。
10.交通手段:
庶民の交通手段はバイク、オートリキシャ、バス、列車。 車、タクシー、飛行機は中流階級以上になります。
最近ではウーバーが便利でオートリキシャより安い場合もあります。
11.インドの教育システム:
少し複雑ですが基本的には義務教育8年間の初等教育(小学校5年+中学校3年)、+2年間または4年間の中等教育10年生または12年生(中等学校2年+上等中等学校2年)、3〜4年の高等教育(一般大学3年、医科・工科大学4年)となります。
10年生の最後にはBoard Examと呼ばれる大きな試験が課せられ、11年生で理系か文系かコース選択をし、その後の進路を決定します。12年生卒業時に全国共通試験が行われ、そのスコアで大学進学が決定します。10年生卒業後、DIPLOMA(日本の工業高専高校)に進学する者も多いです。
卒業後は就職する者、更に専門的な技術習得のために専門学校へ進学する者、大学へ編入する者に分かれます。しかし地理的、経済的な理由で8年間の義務教育すら受けられない者も多数います。インドの識字率は73%と識字率の底上げが課題となっています。
インドの大学進学率は24% (2013年統計)で、日本64%の半分以下です。
大学学士課程(Bachelor)学部名:
BA(Bachelor of Art)文系学部、BSc(Bachelor of Science) 理系学部、BCom(Bachelor of Commerce)商学部、
BE(Bachelor of Engineering)工学部、BTec(Bachelor of Technology)科学技術学士、Master大学院修士課程、
MBA経営修士課程を修了する者もいます。ただ率直に言うと一般的に一部を除き日本と比べて
教育のレベル、特に教師のレベルが低いと思われ メディアが言うゼロを発明した国、ITの国、三桁の九九計算ができるとかを鵜呑みにしない方が良いと思います。潜在能力があることを見抜き入社後の教育に力を入れることが大事です。
12.人材の採用:
転職する度に20〜30%年収を上げて行くと言うのがインドの会社員の通常の方法ですので早ければ2〜3年で会社を去る人が多く優秀な人は如何に長く勤めるようにするかが成長のポイントです。
専門職志向なので日系企業が新卒で採用することはあまりなく通常人材紹介会社の紹介で面接を行い2〜3次面接で採用を決めます。大学時代の成績証明書を提示することは良く行われており一般的にはScore80%以上が良い成績と言われます。また採用時には前職の給与証明書の確認も必要です。
日本と同様 大学時代の成績が良くなくても入社後良いPerformanceを見せることは良くあるので面接でいろんな質問をしてその反応をみて実績や人となりを判断することが必要です。
試用期間は半年、一年等を設定することが可能ですので能力不足と判断した場合は速やかに解雇することが肝要です。
基本的に現場労働者は労働法で守られていて解雇することは容易ではありません。
労働者でないスタッフは労働法で守られてなく、両社の都合で契約を解除できますが管轄の労働局等に訴えられると揉めることもありますので試用期間を過ぎている場合は誠意を持って話し合いをすることが大事です。
また、Canteen(従業員食堂)、社内旅行、パーティー等福利厚生を充実させ労働組合運動や転職に対処する企業もあります。
13.期待される中間層の拡大:
中間所得層(世帯所得5,000〜34,999US$)の割合は、2000年の約22%から、2017年に約50%まで上昇しました。
これが更に15年のうちに70%になると期待されています。